中国ドラマの吹き替え事情
日本でも人気になってきたシャオジャンが出演している作品は大体吹き替えされているのは有名な話しですが、シャオジャンに限らず、大体の俳優さんは自分の声は使われないことがしばしば。
それって訛ってるから?
シャオジャンを例にすると彼の出身地は重慶市出身です。
中国語の標準語は北京語をもとに作られています。北京はその名の通り北にあり、重慶市は南の方にあるのでかなりの差が生まれるのも納得です。
日本ですら西と東でかなりイントネーションが違うとき違和感を感じるのに中国はヨーロッパくらい広いらしいのでどうしても場所によってはかなり喋り方が違います。極め付けに中国語は声調というイントネーションの違いで漢字を区別するので少しでも違うイントネーションで喋ると皆さんの頭の中で全く違う漢字に変換されてしまうので言いたいことがきちんと伝わらないことがあります。
私のこの日本人の耳で聞いてる限りはシャオジャンは普段インタビューを受けているときなどはかなり綺麗な言葉で喋っているように聞こえますが、メイキングなどで出演者同士で喋ってる映像なんかを見るとたまに方言を言ってますね笑(たぶんわざと)
吹き替えになる理由は実は色々あった!
シャオジャンは標準語圏出身じゃない、じゃあ訛ってるから吹き替えなのかと思っていましたが、調べてみると彼本人の声で出演してるドラマも多数あり、実は色々な事情が絡んできます。
中国のドラマなんかで吹き替えになる場合が
- 訛りなどで標準語がきちんと喋れない、或いは外国人なので一切喋れない
- セリフを覚えきれてない
- 声がその役に合ってない
- 演技力が低い
- そもそも録音してない
などです。
結局の話、俳優を吹き替えにするかどうかを決めるのは監督とかが最終的に判断するようです。
なので一旦全て一応役者本人の声で撮影はすることはあるようです。
シャオジャンはドラマ撮影やインタビューなど仕事ではきちんと標準語を喋っています。もし訛りが出ても何度も撮り直しています。
彼が出演したドラマ陳情令のメイキング映像を見てた時なんですが、シャオジャンが「抱山散人(bao4 shan1 san3 ren2)」と言わなければいけないところを「抱san1散人」と言ってしまいNGを出してる、という内容だったんで、どうせ吹き替えなのになんで録ってるんだろうと長らく不思議に思っていたのですが使うかもしれないから一応全部完璧に録音してあるんですかね。俳優初挑戦の新人さんもいたし陳情令はほぼ全員吹き替えでしたが。
ちなみに彼はこの時「重慶や四川では山をsan1と言うからこのセリフ難しいんです」と言ってましたね。同じく南方出身の汪卓成(ワンジュオチョン)もこのセリフ全く言えてなくてとても可愛かったです(こなみ)。
「セリフを覚えきれてない」 ってのが衝撃だったんですが、中国の撮影現場では台本を当日渡されることが多々あるらしく、これはもう吹き替えにするつもり満々だからでしょうかね…。
後は、舞台俳優やら俳優初心者など色々出演者同士で声量の差があったり演技力の差があったりすると吹き替えになっちゃうようですね。
「そもそも録音してない」 ってのはそのシーンのロケーション場所に機材とかが搬入できなかったとか、録音するっていうことは結構人件費等もかかるので予算の関係で後から声を入れるパターンもあるそうです。そのとき声優を使ったり本人の声も後入れなんかもあるらしいです。
訛ってるのは以ての外で、確かにベテランさんと新人さんで演技力に差があるとかなり気になっちゃいますし、セリフを覚えてこない役者さんがもしいてNGばっかり出されちゃうと納期に影響あるかもしれないし、顔の容姿は役がらにピッタリなのに声が違いすぎると残念だし考えてみると色々理に適っている…。
なので中国の人から言わせると「外国のドラマはなんで吹き替えじゃないんだ?」って思ってるかもしれませんね。
↓他の記事でも中国の俳優さんに触れてますので興味のある方はぜひ♪
hikarityuunohanyu.hatenablog.com
↓こちらは中国ドラマあるある。見たことある人ならきっと共感してくれるはず。
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