みみちゃんの中国語奮闘記

中華の俳優、漫画、中国語に関する関する情報をテキトーに書き出すブログ。2022年 HSK5級 251点取得

マンガで分かる中国の昔話⑤『嫦娥奔月〜中秋節の話〜』

 

↓前回のお話♪

hikarityuunohanyu.hatenablog.com

 

前回はナタのお話でした。

 

 

今回は月と深い関係のあるお話。

現在の中秋節では月を見ながら月餅を食べる風習があると思います。

日本でも十五夜に月を見るという風習がありますよね。

 

そんなこんなで今回は中秋節にまつわるお話です。

何気に毎日見ている月には、実はとある夫婦の悲しいお話があるのです…。

 

 

『后羿と嫦娥

 

太古の昔は太陽が10個あった(中身は天帝の息子たちで、鳥の姿をしている)せいで、世界は干ばつに悩まされていた。人々を救うために后羿はやむを得ず太陽を射るという大罪を犯し天界を追放されてしまう。

 

 

その後、后羿は月が綺麗な日にふと空を見上げると嫦娥がそこにいるような気がしたので、彼女が好きだった食べ物などを献げた。

そんな可哀想な嫦娥の話しを聞いた百姓たちも中秋節に月にいる嫦娥へ祈るようになっていった。

 

 

 

 

こちらは嫦娥は天界での暮らしに戻りたかったが、夫と一緒に暮らすために秘薬を2粒飲むのは諦めています。

 

が、

 

嫦娥奔月という話にはストーリーの展開が違うのがもう一つあり、嫦娥は秘薬を手に入れたが、天界に戻りたかったため夫の目を盗み勝手に2粒薬を飲み天を登っている途中、夫を置いて天界に戻った行為を批判されるのを恐れたため進路変更をし、月に辿り着いたが月での生活が退屈すぎて薬を飲んだことを後悔する」というものもあります。

こちらのお話ですと強盗(名前は篷蒙)は出てきません。后羿は秘薬を海を越え山を越え何日もかけてやっとのことで手に入れたのに嫦娥は自分勝手な行動の末、后羿を裏切り挙句の果てに「人間界の暮らしのが良かった」なんて言うんですから嫦娥への見る目が変わってきてしまいます…。

どっちが有力な説なのか私は分からないですが後者ではあまりにも嫦娥がひどい…。

 

 

ところで話は変わりますが、

日本では「月にいる生き物といえば?」と聞かれれば「餅をついているウサギがいる」と言う人がほとんどだと思いますが、中国では「薬を煎じているウサギがいる」という認識だそうですね。

 

以上中秋節にまつわるお話でした!

 

 

 

 

 

マンガで分かる中国の昔話④『ナタ』

 

↓前回のお話♪

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前回は可愛らしいお話を紹介しました。

 

そして今回は「ナタ」についてご紹介します。

カタカナ表記だとあまり見慣れないけどきっとビジュアルなら誰もが一度は見たことがあるのでは無いでしょうか。

ナタという名前は中国神話に出てくる人物の中ではかなり有名ではないかなと思います。

かなり可愛らしい見た目をしていますがれっきとした男の子です。

 

ナタをモチーフにしたキャラは中国ではもちろんのこと日本の漫画やゲームにも登場していますね。私自身この話を知る以前は「なんか名前は分からないけど見たことある中国のキャラ」ぐらいには認知していましたね。

 

ナタとは?

陳塘関というところの武官、李靖の三番目の息子。生まれたばかりなのに走り回ることができたりとナタには特別な才能があると確信した李靖は太乙真人の元へ行き弟子入りさせた。乾坤圏(輪っかのようなもの)と混天綾(赤い布のようなもの)を授かる。

 

 

 

さて早速ですがナタの物語を要約して紹介したいと思います。(本編が結構長いので)

 

 

 

『ナタ』

 

師匠である太乙真人から授かった混天綾を東海口付近の川で洗っていたところ、東海龍王の元から突如遣いの者が現れ、「その宝具を洗うのをやめろ」と叱責をしながら襲い掛かってきた…!

 

そしてなんと…

 

 

 

↑映画ナタの大暴れからかなり影響を受けています

 

龍王がなぜ遣いを出したかというと何故か混天綾を川で洗うと龍王の宮殿全体が揺れてしまうので何とかして食い止めたかった。)

 

中国では1979年に公開された「ナタの大暴れ」という映画がかなり有名ですね!皆さんナタといえばこの映画を思い浮かべるのではないでしょうか。見た目も相まってかかなり人気の高い人物のようですね。

 

また近年では「羅小黒戦記ろしゃおへいせんき」にもナタをモチーフとしたキャラが登場し話題となりました。キャラデザがめちゃくちゃかわいい!

羅小黒戦記は日本語吹き替え版もブルーレイで購入できます!アクションシーンの作画がかなり見応えあるので興味のある方はぜひ!

 

今回はナタについてまとめました。ビジュアルがとても好きな人物😄

 

 

 

 

マンガで分かる中国の昔話③『タニシのお嬢さん』

 

↓前回のお話♪

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前回までで天地創造、人が何故できたのかをご紹介してきました。

そして今回はなんとラブストーリーおとどけします。

 

中国語でのタイトルは「田螺姑娘」。

タイトルだけを見ると面白いお話みたいに思えますがとてもいい話なのでぜひ紹介したいです。

 


『タニシのお嬢さん』

 

青年は幼い頃に両親を亡くし、兄弟もいなかった。

年齢が上がっても妻もとらずに毎日仕事に明け暮れていた。

 

 

そして女性はこう言った。

「私はあの時助けてもらったタニシの精霊なのです。」

「何だって…?」 

青年はびっくりして言葉が出ないでいると、女性は続けてこう言った。

「助けてもらったのはこれが初めてではありません…。実は…」 

 

タニシのお嬢さんは遥か昔のこと、とある漁師に捕まり市場で売られていた。その時1人の少年がそのタニシを買い、田んぼへと逃してやった。

実はこの少年とは青年の前世だったのだ!

 

その二度も命を救ってくれた恩を返そうとこっそりと役に立とうとしていた、ということを聞かされた青年はこれは運命だと確信した。

 

 

青年はタニシのお嬢さんの手を取り求婚をした。

タニシのお嬢さんは顔を赤めながら快く承諾した。

 

その後2人は1人の娘を授かり仲睦まじく暮らしたのだった…。 

↑中国神话故事という本を参考に書いています。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

普通に鶴の恩返し系の話しと思いきや、まさかの「前世からあなたのことを好きでした」パターンです。絵で表現しきれなかったのですが、タニシのお嬢さんもこの青年と運命を感じていたのでプロポーズ即OKでした。

 

ほんとこの話しはドラマでワンクールで見たいレベルに好きです。昔話で胸キュンさせられるとは思いませんでした。

「いやでもタニシじゃん」なんて思いません。愛に正解などないのです。

ちなみにタニシのお嬢さんは天女のような容姿だそうです。

 

この青年の日ごろからの女に執着しない仕事熱心なところや、前世から染みついたこの優しさこそがこんな良い奥さんを巡り寄せたんでしょう。タニシなんて小さい命にも情をかけてあげられるなんて素晴らしい人柄です。

 

 

次はナタのお話です↓↓↓

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マンガで分かる中国の昔話②『人を造った女媧』

 

↓↓前回の記事↓↓

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前回の記事では世界を切り拓いた盤古のお話を紹介しました。

続いては人を創造した女神のお話です。

 

 

 

 

『人を造った女媧じょか

 

盤古が世界を切り拓いた後、この世は生命に満ち溢れていく。

そんな世界に突如現れた半身が蛇の女媧は人知れず孤独を抱えていた…。

 



 

このようにして人は繁栄していった。 

↑「中国神话故事」という本を参考にして書いています。

 

 

いかがでしたでしょうか?

女媧は見た目こそナーガのようですが、中身はハンドメイド好きの可愛らしい女の子です。

自分がせっかく造ったものが無くなってしまうのは悲しいからと、勝手に増えるようにして自分の造る手間も省くというアイデア家でもあります。

 

女媧はその後、大暴れしながら親子喧嘩をした神々のせいで大穴が空いた天空を補填するために奮闘したりと色々と気苦労が絶えない心優しい女神様なんです。

 

 

次は個人的に好きな昔話を紹介してます!↓

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マンガで分かる中国の昔話①『盤古開闢(盤古は天地を創造する)』

 

日本には花咲か爺さんや桃太郎など色々なむかし話がありますよね。子どもの頃は「まんが日本昔ばなし」のビデオを何回も見ていたのが懐かしいです。

その日本での昔話というのは中国のお話を参考にしたり輸入したりしたものもあり、例えば竹取物語なんかは中国のむかし話を元に作られたそうな。注:諸説あり

 

古代の時代、日本が国として出来立てホヤホヤだった頃、お隣の中国はすでに巨大な国でした。何千年も前の東アジア付近では中国語が共用語だったとか何とか?

何千年と続く日中の関係は非常に深く密接に繋がった歴史がありますので、意外なものが中国から輸入した文化だったりします。

 

そんな中国では約5000年の歴史*1の中で昔から伝わる逸話や神話などたくさんの昔話があり、その中で有名な神話を紹介したいと思います。

 

 

 

盤古開闢かいびゃく盤古は天地を創造する)』

 

 遥か昔の太古の時代。宇宙は混沌としていたがこの世界の中で一つの偉大なる命が育まれていた…。

その命の名は盤古と言った。

 

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このようにして世界は創り出された!

 

↑こちらの文章は中国神话故事という本を参考にしています。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

こちらは天地創造のお話でした。

すごくファンタジーチックで面白い話し。まさに神話です。

この昔話には「盤古が命をかけてこの美しい世界を創り守ったのだからみんな大事にしようね」という教えが含まれているようですね。

 

 

まだまだたくさんむかし話がありますのでこれからも紹介していきたいと思います!

 

 

つづき↓

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*1:中国の歴史は神話時代から数えると5000年、初期の王朝が出てきたところから数えると4000年と言われております